クラフトビールを料理に使い味を引き出す
クラフトビールは飲んで楽しむのは勿論ですが、ヨーロッパでは昔からお料理に使われてきました。多くの人々はビールが最も優れた調味料の1つでもあること忘れているかもしれません。適切に使用されるとビールは普通の食べ物を簡単にパーティー料理に変えることができます。今回は「クラフトビールを料理に使い味を引き出す」としてビールを料理に使う使用する際のポイントをご紹介します。 【ビールを使うとお料理が美味しくなるのはなぜ?】水の代わりに煮る液体として使用されるビールは、炭酸、有機酸、アルコールがお肉などに染みこみ柔らかくさせます。熟成を促し柔らかくうま味が増すと言われています。これにより肉や野菜の豊かさをすべて引き出します。アルコールは調理中に蒸発し繊細な味だけを残して素材の味を引き出します。特に肉や魚やシーフードのマリネは柔らかくなります。焙煎やや炙り焼きでは、ビールを使用して食品を焼き上げるか、またはしつけソースの材料として使用して、濃厚で濃い色を与え、肉汁を強調させます。 【どんなビールを選べばいいのか?】軽いエールは全てのお料理に最適です。ペールエール、アンバーエール、ライト系のブラウンエールなどなど。一方で苦味が強いビールの使用は慎重になる必要があります。IPAなどのホップの苦味が強いビールは、長くの煮込むと苦味が一層集中し強くなります。従いましてビール煮などの料理には基本的にIPAはあまり向きません。別の側面からワインを使う多くのレシピでは、代わりにビールを使用することに適しています。軽めのエールビールは白ワインの代わりになり、中でもヴィツェンはより一層美味しさを引き出します。※たとえばムール貝を蒸すときに白ワインの代わりにエールビール、もしくはラガーはおすすめです。 【ビールのアルコールはどなるの?】料理にお酒を使用する際は時間と表面積がアルコールの残存量を決めます。加熱時間が長いほど、アルコールの残存量が少なくなります。15分間焼いたり煮たりした食品は40%のアルコールが残り、1時間調理した場合は25%のアルコールが残ります。さらに時間が経つと、アルコール分は少なくなり、2時間半後には5%しか残りません。ビールはアルコール度数が5%前後ですので、ビールだけで煮込んだ場合は30分ほどでほとんど残らなくなります。水を加えた場合は、表面積が狭いお鍋などを使った場合など様々なケースでアルコールの残量が変わります。 【美味しくないビールを使わない】。賞味期限切れのビールや味が劣化してしまったビールは、お料理にも渋みを与えてしまうので使用を控えたほうがいいでしょう。おそらく出来上がったお料理は納得のいくものにはなりません。 【まとめ】鶏肉、豚肉、魚介類など、より繊細な風味の食品や軽い食品の場合はコクのないものを選びます。牛肉、羊、鹿などの丈夫な肉の場合は、スタウト、ポーター、ダークエールなど、コクのあるビールを選ぶことをおすすめします。クラフトビールの様々な味わいがお料理にもたらす影響は様々です。いつもの料理を特別な味にするために、ビールをお料理に使ってはいかがでしょうか。 ...
ビールと発泡酒の違いとは?
こんにちは、メイクラフトです。7月も中旬になりましたが、先日近くの公園から蝉の鳴き声が聞こえてきました。いよいよ夏が始まる そんな気配を感じました。体力が消耗しやすい季節ですので、くれぐれも体調には気をつけてお過ごしください。さて、前回は「土用の丑の日に飲みたいビール」というテーマで、土用の丑の日におすすめしたいビールをご紹介しました。さて、今回は「ビールと発泡酒の違いとは?」と題して、ビールの定義についてお届けしたいと思います。 普段、缶や瓶ビールのラベルを見ると味はビールなのに発泡酒?と思われた経験があるかもいれません。発泡酒については大手ビールが長らく商品開発に力を入れてきたこともあり、新ジャンル(第3のビール)としてご存じの方も多いかと思います。具体的にビールと発泡酒は何が違うのか?と疑問に持つ方も少なくないと思います。この違いを説明するために、ビールが何からできているのか見ていきたいと思います。 ビールは水、麦芽、ホップ、酵母を主原料として作ります。そして日本の酒税法ではアルコール度数が20%未満の物で、①麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの、②「麦芽の重量が全体の50%以上であること」、③「指定された副原料については麦芽に対して5%未満まで使用可」と定められています。この③の指定された副原料が品目が2018年に拡大され、多種多様なそれまで発泡酒だった飲み物がビールに定義されるようになったのです。※麦芽比率も67%未満~50%未満に緩和されました。 副原料というのは、味の調整や香り付けを目的に使用することが多く、どのような副原料を使用するかで完成するビールの香りや味わいが変わります。副原料として認定されている分るは大まかに①果物類、②コリアンダーなど③ビールに香り又は味を付けるために使用する物としてハーブや香辛料などになります。詳細はこちらから確認できます。 これらの副原料をどの程度使用するかで、ビールと発泡酒に分かれます。つまり、本来のビールの定義から近ければビールで、かけ離れ過ぎると発泡酒になります。このビールと発泡酒は、それぞれに掛かる税金の割合も異なり、ビールの税金が発泡酒よりも高いことが、この20年間大手ビールメーカーは発泡酒の開発を推し進めました。しかし、2026年4月にかけて、ビール、発泡酒、新ジャンル(第3のビール)で異なっている税率は発泡性酒類として一本化を進めることになっており、今後税金の比率が同じになることから、市場ではビールの再開発が進んでいます。余談ですがチューハイも26年に増税されます。 2018年ビールの定義が拡大したことでビールの種類が増えました。これは世界的なクラフトビールの成長も少なからず影響していると思います。国際的にビールの醸造技術に遅れを取れまいと、酒税関係者も懸念していたのではないでしょうか。お酒は趣向品として人々に幸せをもたらすと同時に、国を支える貴重な税収源であると共に、日本独自の文化としての側面も持ち合わせています。世界的にはビールとして副原料の使用できる品目は国によって定義が異なりますが、例えばドイツでは副原料を一切使用すること認めない「ビール純粋令」という物があります。一方で、フルーティーな味のビールが多いベルビービールなどでは、許可されている副原料の品目が多いことも有名です。このように世界的にビールの多様性が広がりつつあるなかで、日本のビール産業も新たな段階に入る過渡期であると言えます。食材が豊かに日本においてビールについても独自の進化を遂げることで、国際的な競争にも勝てるビールが日本で造られています。そんな日本産のビールをこれからもご紹介できればと思っています。 ...